The Bruery / ブルーリー
創業:2008年
拠点:カリフォルニア州 オレンジ郡 プラセンシア(Placentia, Orange county, California)
Bruery Terreux / ブルーリー テルー
創業:2014年
拠点:カリフォルニア州 オレンジ郡 アナハイム(Anaheim)
Offshoot Beer Co. / オフシュート ビアカンパニー
創業:2017年
拠点:カリフォルニア州 オレンジ郡 プラセンシア
The Brueryは、現在もマスターブリュワーとして活躍するPatrick Rue(パトリック ルー)により、2008年に創業されました。醸造所が存在するオレンジ郡(Orange County)は、ビーチやディズニーリゾートなどで有名な観光地です。
Bruery TerreuxとOffshootは、どちらもThe Brueryから派生したブランドであり、それぞれ異なるスタイルのビールを専門とし、醸造しています。
ちなみにBrueryとは、”Brewery”と(Patrick)”Rue”を掛け合わせた言葉です。これら三つのブランドのブリュワーたちは自身らのことをBrewersならぬ”Bruers”と呼んでいます。
そもそもThe Brueryは、野生酵母を使用しない、伝統的なスタイルのビールを独自の感性とクリエイティブさで現代風にアレンジしたビールに特化しており、ベルジャンスタイルエールやバーボンなどのスピリッツの樽で熟成させたスタウトなどで多くのビール通から評価されていました。
The Brueryのポリシーとして、熱処理やフィルター処理を行わず、また、瓶内で二次発酵させるボトルコンディショニングにより発生するカーボネーション(炭酸ガス)を大切にしています。
製造されるビールのほとんどに独自のベルギー酵母が使用されており、副原料にはコリアンダーやオレンジピールなどの伝統的なものの他、ラベンダーやメープルシロップ、時にタイ産バジルなどあらゆる原料を使用しています。
上記に加え、樽熟成などのチャレンジングな技法により、独特かつ深みと複雑さのある味わいを生み出しています。
そんなブリュワリーが″成長のための大きなステップ″として2014年6月に発表したのが、野生酵母を使ったファームハウスエールやサワーに特化した新たなブランド、″Brurey Terreux″の立ち上げでした。
Bruery Terreuxの″Terreux"とはフランス語であり、英語にすると"Earthy(土の、土の付いた、素朴な)"となります。
このブランドは、その名の通り″自然″からインスピレーションを受けており、自然なままの味わいを自然かつ革新的な方法で生み出すことを目的としています。彼らなりの解釈と技術で、″wildly traditional biére(野性的なまでに伝統的なビール)の物語を紡ぐ"というわけです。
また、品質管理の観点からも、野生酵母を使用する醸造所とそうでない醸造所を分けることは、重要かつ有益です。
野生酵母は樽から樽へと飛び移るため、適切に処理しなければ醸造所全体の汚染に繋がりかねず、また、その対策は容易ではないからです。実際にThe Brueryもこの汚染対策に手を焼き、ブランドの失墜を招くほどの問題となりかけたこともありました。
そのため、The Brueryやその他多くのブリュワリーは、野生酵母を使うために完全に新しい設備を用意するという賢明な手段をとることとなりました。
醸造に際し、麦汁は元のプラセンシアの設備で生産され、それが3~4km離れたアナハイムのBruery Terreuxまで運ばれ、その後の発酵・熟成・パッケージングなど全ての作業が行われます。
そして2017年に、三つめのブランドであるOffshoot Beer Co.が誕生しました。所在はThe Brueryと同地です。
Patrick Rueは創業当時より「IPAは造らない」と表明していましたが、昨今のIPA隆盛と、ファンの思いに応える形で、今度はIPAに特化したブランド、Offshoot(英語で「分家、支流」という意味)を立ち上げました
(「The Bruery ″では″ これまでと変わらずIPAは造らない」というスタンスです)。
それまでの他のブランドとは異なり、ポップなデザインとリフレッシングな飲み口で、″リラックス″できるビール造りに重点を置いています。
三つのブランドにより、正に全方位に対し隙の無い布陣を敷いたBruersは、これからもアメリカを、ひいては世界のビール好きの舌を喜ばせていくことでしょう。
ワシントンDCのThe Bruery Store
取り扱いビール
The Bruery Mischief / ミスチーフ
Hoppy Belgian-Style Golden Strong Ale / 8.5% / 473ml
フルーティーでドライなベルジャンスタイルだが、アメリカ産のCitraとMotuekaホップを大量にドライホッピングで投入し、複雑さとミステリアスな印象を加えている。
"Great American Beer Festival 2021"
American Belgo Style Ale部門 金賞受賞
Bruery Terreux Goses are Red / ゴーゼズ アー レッド
Sour-Gose with Grapes / 5.6% / 473ml
柔らかな甘さのロゼワインにインスピレーションを得て造られた、クリスプで酸味のあるゴーゼスタイルのエール。
ゴーゼの特徴であるコリアンダーの風味や軽い塩味が、土着酵母由来の酸味を引き立たせる。
小麦ベースの爽やかなエールだが、フーダー(木製タンク) で熟成しているため、味わいは複雑。
Offshoot Relax / リラックス
Hazy IPA / 6.8% / 473ml
期間限定ビールしか発売してこなかったOffshoot Beer Co.が初めてリリースした年間リリース商品。
フレッシュなホップの味わいとアロマが最大限に発揮され、ジューシーだが苦みは控えめ。
アロマにはレモンやオレンジピール、パイナップル、松のような香りがあり、酵母由来の角のとれた柔らかな口当たりを引き立たせている。